この記事を読むと、ネットショップの商品説明をAIで作る手順と、公開前に人が確認すべきポイントが分かります✨
- 💬 商品点数が多くて、ECサイトの商品説明文が全部は書ききれない
- 💬 メーカーの説明文をそのまま載せているけれど、これで大丈夫か不安
- 💬 ChatGPTに書かせてみたら、どの商品も同じような文章になってしまった
- 💬 「効きます」「日本一」と書いていいのか、線引きが分からない
商品点数が増えるほど、ネットショップの説明文は止まる
以前、兵庫県芦屋市の輸入食品・雑貨のオンラインショップからご相談をいただいたことがあります。
スタッフ2名で運営していて、登録商品は312点。そのうち118点は、仕入れ先の説明文をコピーしたままか、商品名とサイズだけの状態でした。
京都府京都市の自然派スキンケアの通販サイトからも、同じ悩みでご依頼をいただきました。
こちらは商品点数こそ少ないものの、新商品が出るたびに説明文づくりで手が止まる、というお話でした。
ネット通販の説明文が後回しになる理由は、書く力ではありません。1点ずつ書くと時間がかかり、しかも終わりがないことです。
そこで有力なのが、ChatGPTなどの生成AI(=文章を自動で書いてくれるAI)で下書きを作る方法です。AIで下書きを作れば、担当者が1点ずつ白紙から書く手間はなくなります。ただし、AIに丸投げした説明文をそのまま公開すると、2つの落とし穴があります。
メーカー説明文のコピペがSEOで不利になる理由
仕入れ先やメーカーが用意した説明文は、同じ商品を扱う他のネットショップも使っています。同じ文章が何十ページも並ぶと、検索エンジンにとって自社ページを載せる理由が薄くなります。
Googleは、同じ内容が複数のURLに存在する状態を「重複コンテンツ」として扱い、1つのURLを選んで表示します。必ずペナルティになるわけではありませんが、選ばれるのが自社ページとは限らないのが実情です。商品ページ全体の検索対策は、ネットショップの商品ページSEOで検索流入を増やす5つの方法で解説しています。この記事では、説明文をどう作るかに絞って進めます。
ステップ1:商品情報を箇条書きで渡す
AIに「この商品の説明文を書いて」とだけ頼むと、それらしい一般論が返ってきます。材料が足りないと、AIは足りない部分を想像で埋めるからです。この現象をハルシネーション(=AIがもっともらしい嘘を書くこと)と呼びます。
対策は、事実だけを箇条書きにして渡すことです。渡す情報は、次の6種類で足ります。
- ・ 商品名・型番・価格帯
- ・ 素材・成分・サイズ・重さ(数字は単位まで書く)
- ・ 産地・製造方法・賞味期限などの条件
- ・ 想定するお客様(誰が、どんな場面で使うか)
- ・ 他の商品との違い(自店が言える範囲で)
- ・ 書いてはいけないこと(効能・他社比較・最上級表現など)
最後の「書いてはいけないこと」を入れるのが、あとで効いてきます。AIへの指示文(=プロンプト)の中で先に禁止事項を伝えておけば、修正の手間が減ります。
⚠️ 仕入れ値や取引先名など、社外に出したくない情報は入力しないでください。商品ページに載せる情報だけを渡すのが原則です。
ステップ2:売り文句と使い方の型を指定する
情報を渡したら、次は「どんな形で書くか」を指定します。ここを決めないと、100点分を作ったときに全部が同じ書き出しになります。
型は、商品カテゴリごとに1つずつ用意します。たとえば次のような形です。
| 指定する項目 | 指示の例 |
|---|---|
| 売り文句 | 冒頭1文は、お客様の悩みや場面から始める |
| 使い方 | 使う場面を2つ、具体的な行動で書く |
| 文字数 | 全体で250〜300字、見出しは付けない |
| 文体 | です・ます調。店主が話しかける温度で |
| 禁止事項 | 渡していない情報は書かない。効能や最上級表現は使わない |
指示文はこんな形になります。
あなたは雑貨ネットショップの店主です。
下の商品情報だけを使って、商品説明文を書いてください。
情報にないことは書かず、不明な点は「要確認」と書いてください。
# 型
- 冒頭はお客様の悩みから始める
- 使う場面を2つ書く
- 250〜300字
# 禁止
- 効能効果、他社との比較、「日本一」などの最上級
# 商品情報
- 商品名:〇〇
- 素材:〇〇
- サイズ:幅〇cm
ポイントは、「不明な点は要確認と書く」という一文です。これがあると、AIが想像で埋める代わりに、人が確認すべき場所に目印を残してくれます。
よくある失敗:AI文の量産で、全ページが似た文章になる
やりがちなNGが、1つの指示文で全商品を流し込むことです。型が1種類だと、「〜な毎日に寄り添う一品です」のような同じ締めが並びます。
Googleは、AIなどで価値の薄いページを大量に作る行為をスパムポリシーの「スケールコンテンツの不正使用」として扱っています。自社ページが該当するかは内容次第ですが、似た文章を100ページ並べるのは避けたい状態です。
- ⚠️ 型はカテゴリごとに変える(食品・雑貨・衣類で別の指示文にする)
- 💡 商品ごとに「自店だけが知っている一言」を必ず入れる(使ってみた感想、梱包のこだわりなど)
- 💡 書き出しと締めの1文は、人が書き換える
ステップ3:人が事実確認して手直しする
ここが一番大事な工程です。AIの下書きは、公開前に必ず人が読みます。確認する順番は3つです。
- 💡 数字と単位:サイズ・重さ・容量・賞味期限が元の商品情報と一致しているか
- 💡 事実:渡していない特徴(産地、受賞歴、素材)が紛れ込んでいないか
- 💡 表現:効能や最上級など、法律に触れる言い方になっていないか
3つ目の表現の確認には、知っておくべき法律があります。
景品表示法:事実と違う「優れている」は禁止
景品表示法は、品質や規格を実際より著しく優れているように見せる表示(優良誤認)を禁じています。対象はチラシだけでなく、インターネット上の表示も含まれます。
怖いのは、わざとでなくても違反になりうる点です。消費者庁の資料でも、事業者に故意や過失がなくても不当表示に当たるとされています。違反があれば課徴金(対象商品の売上額の3%が基準)の対象にもなります。AIが「業界最高水準」と書いたものを見過ごせば、責任を負うのは店側です。
薬機法:化粧品・健康食品の「効く」は書けない
薬機法(医薬品医療機器等法)は、医薬品や化粧品などの広告を規制する法律です。化粧品で標ぼうできる効能効果は、厚生労働省の通知で56項目の範囲に定められています。「シミが消える」「飲むだけで痩せる」のような表現は、その範囲を超えます。
以前、京都府京都市の自然派スキンケアの通販サイトで、AIが作った下書きに「使い続けるとシミが薄くなる」という一文が入っていたことがありました。商品情報には一言も書いていない内容でした。「効能は書かない」という禁止事項を入れていなかったのが原因で、公開前の確認で見つけて直しています。
⚠️ 化粧品・健康食品・サプリメントを扱うショップは、AIの下書きを必ず全件、人が目視で確認してください。法律の判断に迷う表現は、専門家や自治体の窓口に確認するのが安全です。
事例:芦屋市の輸入雑貨ショップで、説明文の未記載118点を解消
ここまでの3ステップを実際に運用した例です。兵庫県芦屋市の輸入食品・雑貨のオンラインショップ(スタッフ2名、月の受注は約150件)は、次の状態でした。
- ・ 課題:登録312点のうち118点が、コピー文か商品名のみ。1点の説明文づくりに約28分かかり、手が回らない
- ・ 解決:カテゴリ別に指示文を3種類作成。商品情報は表計算ソフトにまとめ、AIで下書き、スタッフが数字と表現を確認する流れに
- ・ 結果:1点あたりの作業は約11分に短縮。未記載の118点は開始から6週間で解消
説明文を入れ替えた商品ページの購入率(CVR)は、1.38%から1.71%になりました。受注件数は月147件から168件です。季節要因もあるため、すべてが説明文の効果とは言えません。それでも、「書く時間がないから空欄のまま」という状態がなくなったことが最大の成果でした。
費用面では、ChatGPTの月額プランの範囲で運用できています。ここでの効果は、人件費の削減より「更新が止まらなくなったこと」です。
商品点数が多いなら、CSVで一括処理する
商品が数百点あるなら、1点ずつ画面に貼る作業も負担になります。そこで使えるのが、CSV(=表計算ソフトのデータを文字だけで保存した形式)を使った一括処理です。
流れはこうです。
- 商品情報を表計算ソフトの1行1商品にまとめる(列は「商品名・素材・サイズ・想定客」など)
- 指示文を用意し、各行の情報を差し込んで、AIに1行ずつ渡す
- 返ってきた下書きを「説明文」列に並べ、人が確認して、ネットショップ側の商品CSVに戻す
ChatGPTのAPI(=システム同士をつなぐ仕組み)を使えば、この流れをプログラムで自動化することもできます。Python(パイソン)という言語で書いておけば、数百点の下書きを一度に作れるので、担当者は確認だけに集中できます。ただし、これは自動化の範囲が広がるほど確認の抜けも起きやすいという意味でもあります。
よく「AIならCSVを流すだけで終わる」と言われます。ところが実際にネットショップのデータを触ると、サイズが「W30×D20」「幅30cm」と行ごとに違う書き方で入っていて、AIが単位を取り違えることがあります。現場の感覚として、100点流すと1〜2割はサイズや容量の直しが出ます。だから、流す前にデータの書き方を揃えるのが先です。
請求書や見積書のような書類の自動化に興味がある方は、AIで請求書・見積書を自動作成する方法も参考になります。
予算も時間も限られるなら、最初にやる3つだけ
全商品を一気に作り直す必要はありません。まず、この3つだけで十分です。
- 売上上位の20点だけ、ステップ1〜3で作り直す
- 禁止事項リスト(効能・最上級・他社比較)を1枚のメモにして、指示文に入れる
- 公開前の確認は数字・事実・表現の3点に固定する
正直に言うと、「AIに任せれば人の手はいらない」という考え方は、化粧品や健康食品のように表示規制が厳しい商品、そして高単価でお客様が細かく比較する商品には当てはまりません。AIは事実を確かめず、文章として自然かどうかで書くからです。だからうちでは、AI文の量産の前に、確認のルール作りを最初に提案しています。
逆に言えば、商品点数が多く、更新が止まっているネットショップには、AIによる下書きが最も有効です。書く工程が減った分、人は確認と「自店だけの一言」に時間を使えます。まず20点で試して、確認にかかる時間を測ってみてください。
なぜ説明文の更新は、途中で止まってしまうのでしょうか。理由は、書く作業に終わりがなく、誰の担当かも曖昧なまま進むからです。作る流れと確認の担当を決めておけば、続けやすくなります。
あなたのネットショップは大丈夫?チェックリスト
- ✅ 登録商品の1割以上が、メーカー説明文のコピーか商品名だけになっている
- ✅ 新商品を登録するたびに、説明文づくりで1点30分近くかかっている
- ✅ AIで作った文章を、数字や表現を確認せずに公開したことがある
- ✅ 化粧品・健康食品・サプリを扱っているのに、表示のルールを社内で決めていない
2つ以上当てはまるなら、説明文づくりの流れを見直すタイミングです。
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まずは売上上位20点の商品情報を箇条書きにして、ChatGPTに下書きを頼むところから始めてみてください。禁止事項を指示文に入れておくと、確認がぐっと楽になります。
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