この記事を読むと、訪問看護の記録業務をAIで時短する3つの具体的な方法と、導入時の注意点が分かります✨
- 💬 利用者の記録・計画書・報告書の作成に毎日2〜3時間かかっている
- 💬 記録が残業の原因になっていて、スタッフの負担が限界に近い
- 💬 AIを使いたいが、個人情報の扱いが心配でなかなか踏み出せない
訪問看護の記録業務は、想像以上に時間を奪います。利用者1人あたりSOAP形式(=看護の観察・判断・対応・評価を構造化する記録形式)の記録を残し、さらに月次の計画書・報告書、主治医への連絡文書まで。1件の訪問後に記録を仕上げるだけで10〜20分かかることも珍しくありません。
1日に10件の訪問があれば、記録だけで100〜200分。それがスタッフの毎日です。
兵庫県尼崎市・大阪府豊中市の訪問看護ステーション様からAI導入に関するご相談を複数いただく中で、「現場で実際に使えるAI活用」の形が見えてきました。今回はその3つをまとめます。
方法1:音声入力+AI文字起こしで「その場で記録」を完結させる
最も導入しやすく、効果が早いのがこの方法です。
訪問中・訪問直後にスマートフォンで音声メモを録音し、AIが自動で文字に起こします。その文字起こしテキストを記録の下書きとして使うことで、帰宅後に「あの利用者、どんな状態だったっけ」と思い出す時間がゼロになります。
使えるツールとしては、iPhone標準の音声メモ、Google Keep(音声メモ→テキスト変換)、またはWhisper(OpenAI製の音声認識AI、Python(パイソン)で自社ツールに組み込むことも可能)が挙げられます。精度はWhisperが最も高く、医療・看護系の専門用語にも比較的強いです。
弊社が支援した兵庫県尼崎市の訪問看護ステーションでは、スタッフ6名がこの方法を導入した結果、1件あたりの記録作成時間が平均17分から11分に短縮されました。1日10件なら、毎日60分の時短です。
方法2:ChatGPT APIでSOAP記録の下書きを自動生成する
音声文字起こしの一歩先がこの方法です。文字起こしテキストを入力すると、ChatGPT API(=ChatGPTの機能を自社システムに組み込む仕組み)がSOAP形式の下書きを自動で生成します。
よく「ChatGPTで記録を書けばいい」と言われます。ところが実際に訪問看護の案件に関わっていると、汎用のChatGPTに直接入力するのはセキュリティ上のリスクがあるという壁にぶつかります。利用者の氏名・住所・症状を含むテキストをインターネット上の外部サービスに送ることになるからです。
これを知らずに導入してしまうと、後から個人情報保護の観点で問題になります。
安全に使うには次のいずれかの構成が必要です。
- 💡 氏名・住所などの個人特定情報をマスキング(伏せ字)した上でAPIに送る
- 💡 Azure OpenAI(マイクロソフトのクラウド上でChatGPTを使う方法)など、データが学習に使われない法人向けプランを使う
- 💡 社内ネットワーク内に閉じた形でAIを動かす(オンプレミス型)
大阪府豊中市の訪問看護法人からご依頼をいただき、個人情報をマスキングしてからAPIに送る仕組みを構築しました。スタッフは通常通り入力するだけで、システム側で自動的に個人特定情報を除去した後にAIが記録の下書きを生成します。導入から6週間後、新人スタッフの記録作成時間が平均31%短縮されました。
方法3:申し送りテンプレートをAIで自動生成する
記録の次に時間を取るのが「申し送り」です。次のスタッフやケアマネジャーへの情報共有文を毎回ゼロから書いているステーションは多くあります。
この申し送り文も、当日の記録データをもとにAIが定型フォーマットで自動生成できます。「本日の状態」「前回との変化点」「次回対応の注意事項」の3ブロックを自動で埋める仕組みです。これにより、申し送りの抜け漏れ防止と記載時間の短縮が同時に実現します。
特に効果が高いのは、スタッフが複数いるステーションです。書き手によって申し送りの粒度・内容がバラバラになりがちな問題を、テンプレートと自動生成の組み合わせで解消できます。
よくある失敗:AIの出力をそのまま記録に使ってしまう
AIが生成した下書きを確認せずにそのまま記録として使うのは、絶対に避けてください。
AIは入力された情報をもとに「それらしい文章」を生成しますが、医療的な判断の正確性を保証することはできません。記録はあくまで看護師本人の観察と判断に基づくものであり、AIはその「下書き作成の補助」に留めることが原則です。また、AIが生成する文章は表現が画一的になりやすく、利用者の個性や生活背景が記録から失われるリスクもあります。
運用ルールとして「AIの下書きを必ず目視確認・修正してから保存する」を徹底することが、現場での安全な活用につながります。
まず始めるなら方法1から
3つの方法のうち、最初に着手すべきは方法1(音声入力+文字起こし)です。
- ⭐ 追加費用ほぼゼロ(スマートフォンだけで始められる)
- ⭐ セキュリティリスクが最も低い(音声は個人情報を含まない形で録音設計できる)
- ⭐ スタッフへの説明が簡単(「訪問後すぐに音声でメモする」だけ)
方法2・3はシステム開発が必要なため、まず方法1で「AIで記録が楽になる」体験をスタッフに積んでもらうことが、その後の本格導入をスムーズにするコツです。
あなたのステーションは大丈夫?チェックリスト
- ✅ 1件あたりの記録作成に15分以上かかっているスタッフがいる
- ✅ 記録業務が原因で残業が週に3時間以上発生している
- ✅ 新人スタッフが記録の書き方に苦戦して、先輩に頻繁に確認している
- ✅ 申し送りの内容がスタッフによってバラバラで、抜け漏れが起きたことがある
2つ以上当てはまるなら、AI導入を検討するタイミングです。
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業務効率化の事例や導入の流れをまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。
まずはここから始めてみませんか?
自分で試したい方へ
まずはスマートフォンの音声メモアプリを使って、訪問直後に状態を口頭でメモする習慣を1週間試してみてください。
プロに相談したい方へ
「個人情報の扱いが心配で、何から手をつければいいか分からない」という方は、お気軽にご相談ください。セキュリティを確保しながら現場に無理なく導入できる方法を、専門用語なしでご提案します。
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